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禁煙バトルロワイヤル



禁煙バトルロワイヤル
集英社新書

著者: 太田光 /奥仲哲弥
出版社: 集英社
サイズ: 新書
ページ数: 189p
発行年月: 2008年10月
ISBN:9784087204636
本体価格 680円 (税込 714 円) 送料別

おなじみのお笑い芸人、爆笑問題の大田光氏と、
呼吸器外科(専門は肺がんの外科治療・レーザー治療)の奥仲先生による対談。

・・・本の説明には、

「煙派、禁煙派の両代表による究極バトルのゴングは鳴った!
果たして奥仲医師は太田に禁煙させることができるのか?
タバコをやめたい人も、やめたくない人も、
タバコを吸わない人も絶対読みたくなる大激論 」

なんて書いてあったんで、「なんだ、また芸能人のネタ本か」
なんて思ってあまり期待していなかったんですけど・・・

中身はぜんぜん違います。っていうか、
出版社はいいかげんこういう、電車の中刷り風帯にするのはたいがいにしてくれと。
大激論はしてないですし、奥仲先生も本気で禁煙させようとはしていません。
(本当は禁煙させたかったのかもしれませんが・・・)


まぁ、そんなことはどうでもよくて、・・・非常に良書(対談)だと思います。
(でもアマゾンのレビューはちょっと思わしくないようですが。)

「1日5本程度の喫煙なら健康へのリスクはほとんど無いし、
十分な健康診断でがんを早期治療していけばいい」
という発言に代表される奥仲先生のスタンスはちょっと微妙で、
どうしても思いや熱意が先行してしまって、
言葉や表現、理論がついていけてないような気もします。

この対談のあとがきで、そんな奥仲先生の態度を見透かしている
この大田氏の観察が非常に的確
で恐れ入りました。

> 「最近の兼煙運動に疑問をおぼえつつ、かといってタバコの
> 人体に与える害を知ってしまった以上、これを黙って傍観するのは、
> 医者として卑怯である。なんとかしてヒステリックにならずに、
> 冷静に本気で禁煙を勧められないだろうか。戸惑いつつ、模索しながら、
> 私に話をされた奥仲先生の態度からは、そんな”本物の思い”が伝わってきて、
> とても共感した」

一方の太田氏の「別に俺は平気」的な態度を押し切る潔さと、
「話は大きく展開してみるものの、結局たばこは人生においてそれほど
たいした問題じゃない」というある種の問題意識の低さも、
もしかしたら禁煙への取り組みに対する非常にいいヒントを、
本書の中で与えてくれているのではないかと思います。


対談はタバコの害からはじまり、文化、快楽、アメリカと日本、
利害関係、がんの治療から子供たちへの教育と、健康の幸福論など、
いまのタバコを取り巻く話題をひととおり話してみた、という感じの本です。

別に、熱心に禁煙を勧めているわけではなく、
かといって、タバコがいいものだなんてまったく言っていない、
そんな対談ですから、結論とか実用的とかいう事はあまり無いとか思います。


でも、面白い本です。不思議。

なぜ面白いと思ったのか、
答えも実は、奥仲氏のあとがきに書いてありました。

> この対談を行う前に、私が師と仰ぐ方に対談の内容について相談したところ、
> 以下のコメントをいただいた。
> 「タバコと聞いて読者が関心(共感)をよせるのは、タバコを吸う『人間』であって、
> 『知』(タバコの知識)は二の次である。太田さんが人間を語り、
> 奥仲君が知識を語るという図式では面白い本はつくれない。」


私が本当に興味があること、それはタバコの知識などではなく、

「タバコを吸う人間と、タバコを吸わない人間と、
タバコをこの世に見出し世に広めたこの世界の人間に興味があるのだ」

ということを認識した一冊でした。


・・・対談時間は10時間だそうです。

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  1. 2009/04/22(水) 00:27:23|
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